睡眠外来はどんな時に行けばいいのか?睡眠障害の種類を知る!
睡眠は、私たちの生活の中で非常に重要な役割を果たしています。脳と体・心の休息、回復を行ってくれます。しかし、よく眠れなかったり、眠っても疲れがとれた感じがしないなどの経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか。
今回は睡眠障害の種類と睡眠外来についてみてみましょう!
睡眠障害とは?
睡眠障害とは、睡眠の質や量、寝るタイミング、または寝ている間の行動に影響を与えるさまざまな問題のことを言います。これらの問題は、日常生活に悪い影響を与える可能性があります。
睡眠障害がもたらす影響
睡眠障害は、体の元気、心の健康、そして気持ちにも影響するかもしれませんね。それは、記憶力が弱まる、注意力が散漫になる、パフォーマンスが下がる、イライラする、憂鬱になる、心臓や血管の病気のリスクが上がる、免疫力が弱まる、太りやすくなる、などのリスクを高める可能性があるんです。
アメリカのペンシルバニア大学で行われた研究によれば、睡眠不足が続くことで、注意力、記憶、判断力、反応時間などの思考力に大きな悪影響を与えることが分かっています。
そして、睡眠障害は、睡眠不足の原因となる可能性があります。睡眠障害にはいくつかの種類があるので、それぞれの概要について見ていきましょう。
睡眠障害の種類
睡眠障害には、いくつかの異なるタイプがあります。以下は、一般的な睡眠障害の例です。それぞれについても症状や概要をみてみましょう。
不眠症
不眠症は、とても一般的な睡眠障害の一つで、寝つきが悪い、途中で何度も目が覚める、予定よりも数時間早く目覚めてしまい、再び寝ることができない、といった問題を経験します。これは、短期間(急性)または長期間(慢性)続く可能性があります。
過眠症
特発性過眠症:
特発性過眠症は、過眠症の一般的なタイプで、特定の原因は分かりません。この種の過眠症の患者は、通常、10〜12時間以上の長い眠りを取った後でも、日中にとても眠く感じます。
ナルコレプシー
ナルコレプシーは、過眠症の一種で、突然の筋力の喪失(カタプレキシー)、幻覚、寝ている間に動けなくなる(睡眠麻痺)といった他の症状が伴います。
睡眠時無呼吸症候群
睡眠時無呼吸症候群は、寝ている間に一時的に呼吸が止まる状態です。喉の筋肉がリラックス(ゆるむ)することで引き起こされます。
概日リズム障害
概日リズム障害は、体内時計が乱れることによって起こります。それは、通常、夜型の生活、シフトワーク、時差ボケなどによって引き起こされます。
睡眠時随伴症
レム睡眠行動障害
通常、レム(急速眼球運動)睡眠中、筋肉はゆるむ(弛緩)し、ほぼ動かない状態になります。しかし、レム睡眠行動障害の患者では、この筋肉のゆるみが起こらず、夢の中で体験する出来事に対して実際に体を動かしてしまいます。これにより、自分自身やパートナーに対して、転んだり、打ったり、または他の怪我をするリスクがあります。
その他の睡眠時随伴症には以下のようなものがあります。
- 睡眠遊行症: 夢遊病と呼ばれるもので、睡眠中に歩き回ったり、座ったり、物を動かしたりする行動が含まれます。通常、深い睡眠の段階で起こり、患者はこの行動を覚えていません。目覚めたらクレーンの上にいた、という都市伝説のような話もあります。
- 夜驚症: 睡眠中に突然叫んだり、座ったり、恐怖に満ちた表情をしたりします。これは、通常、深い非レム睡眠中に起こります。
- 歯ぎしり: 睡眠中に歯を強く噛み締めたり、歯をこすり合わせたりする行動です。
睡眠障害の対策・セルフケア
それぞれの睡眠障害の対策例
- 不眠症に対する対策
- リラクゼーションテクニック(深呼吸、進行性筋弛緩、瞑想など)
- 睡眠ハイジーンの改善
- 薬物療法(睡眠薬、抗不安薬、抗抑うつ薬など)
- 過眠症に対する対策
- 薬物治療
- 生活習慣や運動、ストレス管理、睡眠環境を整える
- 睡眠時無呼吸症候群に対する対策
- CPAP(連続気道陽圧)装置の使用
- 口腔内装置の使用
- 体重の管理
- アルコールと睡眠薬を避ける
- 睡眠環境を整える
- 光療法
- メラトニン補充療法
- 生活リズムの整える
- 概日リズム障害に対する対策
- 光療法
- メラトニン補充療法
- 生活リズムの整える
- 睡眠時随伴症に対する対策
- レム睡眠行動障害の場合、クロナゼパムなどの薬物治療が一般的に効果的
- ナイトテラーやソムナンブリズムの場合、ストレスの管理、良好な睡眠衛生、および適切な安全措置
セルフケアの一例
セルフケアは、睡眠障害の対策において重要な役割を果たします。以下は、セルフケアの一般的なアプローチです。
- 睡眠の質の向上
- 定期的な生活リズムの維持
- 余計な刺激(カフェイン、アルコール、タバコ)を避ける
- 快適な睡眠環境の確保
- ストレス管理
- リラクゼーションテクニックの使用
- マインドフルネス瞑想
- 適切な運動
- 運動と栄養
- 定期的な運動
- バランスの取れた食事
睡眠外来とは?いついけばいい?
睡眠障害の症状が続き、日常生活に悪い影響を与える場合、病院やクリニックを訪れることが重要です。専門家の支援は、症状の改善と生活の質の向上に役立つ可能性があります。
国立精神・神経医療研究センター病院では睡眠外来を開設しています。国立の研究機関でもあるこちらでは、睡眠・覚醒障害の原因究明、新たな診断法・治療法の開発などの研究も推進しています。
まず覚えていただきたいのは、睡眠に関して日常生活に支障がでるようであれば、睡眠外来という場所で専門家に頼ることができる、ということです。
睡眠の質や環境・生活習慣に目を向けてみよう
睡眠障害は、日常生活に悪い影響を与える可能性があります。それぞれの障害に対して、適切な対策と自分自身のケアが必要です。もし、症状が続き、日常生活に影響を与える場合は、専門家の支援を求めることが重要です。