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夏バテ対策は食前が大事?お手軽に食欲・消化力を高める方法

かのたく

食欲が湧かない夏に栄養が足りないと、不調の連鎖を招きやすくなってしまいます。そこで、食欲と消化力を高める、お手軽な方法を紹介します。

そのほか、夏バテ対策レシピ、そもそも夏バテとは?原因と対策は?栄養といってもなにが足りないの?などの疑問を解決する内容になっていると思います。家族が夏バテで不調、友達の元気がない、など優しい気持ちをもつ方、皆さんが夏を健やかに過ごす一助となれればと思い記事にしました。

ボリュームのある内容になっていますので、はじめに消化力促進レシピから紹介し、その後に夏バテの原因と対策について触れています。目次をつかってお好きなところから読んでみてください。

かのたく
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睡眠コンサルタント|食育栄養コンサルタント
Profile
妊娠中の妻を持つ夫。妊娠という特別な時期に夫婦が抱える不安解決の方法をナビゲーションします。 睡眠コンサルタント、食育栄養コンサルタント、アーユルヴェーダマイスター資格を持っています。(2024年1月時点)

食前に効く!食欲を高めるお手軽レシピ

夏バテ対策は食欲と消化力で栄養をしっかり摂取する食事を

夏は食欲がわかないうえ、暑いため冷たい麺類を中心とした食事や食事の量を少なめにしたりしがちです。冷たい飲食ばかりしていると、胃腸の働きを弱め、消化力が低下してしまします。食事量が少ないとそれだけエネルギー摂取量も少なくなり、必要な栄養素が不足してしまいやすくなり、疲れや体調不良といった「夏バテ」引き起こします。

夏バテの主な原因は他にもありますが、それはレシピ紹介の後にまとめています。
まずは食事をしっかり摂るための、食欲と消化力を高めるお手軽レシピを試してみてください。

生姜のスライスに〇〇と〇〇をかけて食べる

  1. 生姜を薄めに切る(一人1枚程度)
  2. レモン汁を適量かける
  3. 塩を指先でひとつまみ分かける

これだけです。料理に生姜を入れるついでに、少し切っておくといいでしょう。

生姜は食欲増進、消化を助けてくれる効果があります。体も温まるので身体が冷えてだるく、食欲がないときにぴったりです。また、レモン汁も酸味が摂食中枢を刺激して食欲を引き立ててます。塩はすこしの塩分と味を食べやすくするために使います。

生姜シロップのお湯割り

  1. 生姜シロップを小さじ1〜大さじ1/2程度入れる(お好みで調節)
  2. レモン汁を適量いれる
  3. 塩と指先ひとつまみ分入れる
  4. お湯をそそぐ(60℃〜70℃くらいが飲みやすい。熱すぎないように注意)

生姜のシロップは炭酸で割ったりしてジンジャーエールとして飲むのも美味しいですが、食前に飲むと体が消化をしやすい状態にすることができます。

黒こしょうの白湯

  1. 白湯を用意する
  2. 黒こしょうを一振り入れる

生姜がないときでも簡単にできるのが、黒こしょうの白湯です。もはやレシピという程のものではないのですが、黒こしょうのピリッとする辛味と香りが食欲を刺激してくれます。また、黒こしょうには消化を促進する作用もあります。

夏バテ対策レシピと食前の消化促進レシピ

食欲・消化力を高める方法を知っていただいたところで、つぎはおすすめのレシピを2つご紹介します。レシピで使われる食材から摂取できる、夏バテに効果的とされている栄養素を載せていますので、参考にしてみてください。

夏バテ予防レシピ

豚しゃぶ・トマト・オクラの温つゆぶっかけそうめん

冷たいそうめんばかり食べていては栄養バランスを崩してしまいますが、工夫をすることで栄養をとることができます。そうめんは麺類の中でも消化が早く、胃腸が弱っていてもツルっと食べやすくてオススメです。

以下はレシピサイトNadiaさんに掲載されていたレシピですが、つゆやトマト、オクラ、豚肉も温めてトッピングすると常温または温かい料理として食べることができます。冷たい料理ばかり食べるのは体に負担がかかりますので、できるだけ常温または温かい料理を食べましょう。

材料2人分
  • そうめん2束(160g)
  • 豚肉しゃぶしゃぶ用100g
  • オクラ5〜6本
  • トマト(中玉)1個
  • 塩小さじ1/2
  • めんつゆ(ストレート)適量
  • ごま油小さじ2
  • 白ごま少々
  • 黒こしょう少々
  1. ▶︎オクラはヘタとガクを切る。熱湯(500ml)に塩を入れて1分茹でる。ザルにあげ、粗熱が取れたら小口切りにする。
    ▶︎トマト(中玉)のヘタをくり抜き、横半分に切る。種の部分を取り除き、1センチ角に切る。
    ▶︎豚肉しゃぶしゃぶ用は食べやすい大きさに切る。
  2. 湯を沸かし、豚肉をさっと茹でて水気を切る。
  3. そうめんを袋の表示通りに茹でて冷水にとり、水気をよく切る。
  4. 器にそうめん、オクラ、豚しゃぶ、トマトの順に盛り付け、めんつゆ(ストレート)をかける。ごま油をまわしかけ、白ごまと黒こしょうをふる。
レシピサイトNadia
食材摂取できる主な栄養素
豚肉ビタミンB1、タンパク質
トマトビタミンC
オクラ葉酸
このレシピで摂取できる主な栄養素(夏バテ対策に効果的な栄養素)

ごま油の香ばしいかおりは食欲を増進してくれます。また、抗酸化作用がありますので免疫力を高めてくれるとされています。黒こしょうが入っているのも食欲を引き立ててくれ、弱まった消化力を助けてくれるので◎。

夏野菜たっぷりのカレースープ

旬の野菜は足も美味しく、安価になりやすいため、是非積極的に取り入れたいところ。スープカレーはサラサラと食べやすく、料理もシンプルかつ具材を変えてアレンジをしたりと飽きない工夫もできるためオススメです。

レシピでは合い挽き肉を使っていますが、ビタミンB群が豊富なぶた肉(ひき肉)に変えたりするといいでしょう。

カレー粉にはターメリックのほか、クミンやコリアンダーといったスパイスが入っており、胃や腎臓を守り消化力を高める作用があります。

アイアム 夏の名残のスープカレー
材料(2人分)
  • ひき肉(合いびき)…100g
  • なす…2本
  • トマト(大)…1個
  • ししとう…6~8本
  • にんにく…1片
  • カレー粉…大さじ1
  • 塩…小さじ1
  • オリーブオイル…大さじ2
  1. 深めのフライパンにオリーブオイルを熱し、ひき肉とにんにくを入れ、中火で焼き付ける。焦げ目が付いたらひっくり返す。
  2. なすを入れ、塩半量を加えて炒める。
  3. なすがしんなりしてきたら、ししとうとトマトを加え、残りの塩も加える。
  4. トマトの形が崩れてきたら、出てきたジュースを煮詰めるようにして3分ほど 炒める。
  5. カレー粉を加えて、よく混ぜる。
  6. 水350mLを加えて、煮立ったら、完成!
アイアム 夏の名残のスープカレー
食材摂取できる主な栄養素
豚ひき肉ビタミンB1・タンパク質
なすカリウム・葉酸
トマトビタミンC
ししとうビタミンB6・ビタミンC・食物繊維
このレシピで摂取できる主な栄養素(夏バテ対策に効果的な栄養素)

ししとうはその見た目からは意外にもビタミンCが豊富です。ビタミンB6はタンパク質と一緒に摂りたい栄養素で、タンパク質の分解を助けてくれるとされています。

夏バテとは何か?

夏バテのメカニズムと原因

夏バテとは、夏の暑さに適応できずに様々な不調がでることの総称です。夏バテの症状としては以下のようなものが挙げられます。

  • 食欲不振
  • 体がだるい
  • 疲れがとれない
  • 寝不足
  • 頭が痛い
  • 便秘や下痢になる

これら様々な不調が生じる夏バテの主な原因は以下のようなものが挙げられます。

夏バテの主な原因
  1. 消化機能の低下
  2. 自律神経の乱れ
  3. 汗をかくことによる水分不足やミネラルの不足
  4. 寝苦しさによる睡眠不足
  5. 室内外の温度差が大きいため、体力の消耗が激しい
  6. 食欲不振による栄養バランスの乱れ

自律神経の乱れは室内外の温度差や栄養不足が原因

自律神経とは内臓の働きや代謝、体温などの機能をコントロールする神経です。この神経機能は、24時間休まずオートマティックに働いています。

自律神経には交感神経と副交感神経の2種類あります。交感神経は日中の活動的な時間に活発になり、副交感神経は夜間やリラックスした状態のときに活発になります。2つの神経のどちらが優勢かによって、体温や心拍、胃腸の働きを活発にしたり抑制したりと、身体が自動で切り替えてくれています。

真夏に自律神経が乱れる原因
  • 室内外の温度差が大きいため、2つの神経の切替が急激に、何度も行われるために体に大きな負担がかかる
  • 食欲不振、偏った食事による栄養バランスの乱れによっても引き起こされる

夏バテと生活リズムの関係

自律神経が乱れると腸の働きにも乱れが生じてきます。腸の働きが乱れてくると、ぜんどう運動という腸が収縮して排泄を促す動きがスムーズにできなくなり、便秘や下痢を引き起こされるなど、胃腸機能が低下します。

また、自律神経の乱れは睡眠にも影響を及ぼします。

自律神経が乱れていると、活動を促す交感神経とリラックスを促す副交感神経の切り替えができず寝るためにベッドに入っても、交感神経が優位に働いているためになかなか寝つけず、寝つけても途中で目覚めてしまったりして睡眠不足になることがあります。

温度差によって自律神経が乱れ、胃腸機能が低下する。胃腸機能が低下すると自律神経のバランスが崩れ、睡眠不足など諸症状が生じる……といった夏バテに自律神経のバランスが崩れると、不調の連鎖が起こりえます。

食事や睡眠から生活リズムを整え、自律神経のバランスを保とう

室内外の温度差は行く先々によって異なりますので、自分ではなかなか対策が取りづらいところです。
まずは、自律神経のバランスを整えるために、食事や睡眠といった、生活リズムを意識的に整えることで自分の身体を強くすることが重要です。

夏バテの予防・対策

予防できる?夏バテ対策の基本

夏バテを予防・対策するためには自律神経が乱れないようにすることが重要です。ごく当たり前のようですが、忙しく生活する上、娯楽の多い現代では規則正しい生活や食事ができない人も多いと思います。まずは以下の5つの基本を意識してみましょう。

夏バテを対策する5つの基本
  1. 栄養バランスの良い食事をとる
  2. 規則正しい生活を心がける
  3. こまめに水分補給をする
  4. 室内外との温度差に気を付ける
  5. 良質な睡眠がとれるように工夫する

夏バテ予防のための生活習慣とは?

夏バテを対策する5つの基本を紹介しましたので、それぞれについてもう少し具体的に解説していきます。

栄養バランスの良い食事をとる

夏は冷たくてのどごしのいい素麺や冷麺など、麺類を中心とした食事に偏りがちです。麺類は主に炭水化物のため、ビタミンやタンパク質、ミネラルが不足しやすいです。

冷たい飲食ばかりをしないことも大事

また、冷たい飲み物や食事ばかりしてしまうと、胃腸の働きを弱め、消化力が落ちます。暑さで火照った身体を冷ますことは大事ですが、冷たい飲食ばかりしてしまうことは避けましょう。

規則正しい生活を心がける

自律神経は24時間が周期であり、1日中自動でバランスを保っています。そのため、食事や睡眠、仕事、運動、休養といった日々繰り返されるルーティンの活動がリズムを整えるために大切です。

仕事で帰るのが遅くなってしまったり、ドラマを深夜まで見てしまったり、ベッドに入ってからもスマートフォンを見続けてしまって睡眠が不規則になるなど、規則正しい生活リズムを取りづらい状態です。

生活リズムを整えるために、これだけは守りたい2つのポイントと日々の活動で行いやすいアクションプランをご紹介します。

自律神経を整えて夏バテ予防!

生活リズムを整える睡眠習慣

これだけは守りたい!2つのポイント
  • 就寝・起床時間を決める
  • 休日も平日と変わらない時間に就寝、起床する
就寝・起床時間のリズムをつくる7つの行動習慣
  1. 38℃〜40℃のお湯に15分程度浸かる
  2. 就寝前にヨガや瞑想でリラックスする
  3. 寝る前はスマートフォンを見ない
  4. 朝起きたらカーテンを開け、太陽の光を浴びる
  5. 朝起きたら深呼吸をする
  6. 寝る前と朝起きたときにコップ1杯の白湯を飲む
  7. 朝食をとる(タンパク質・炭水化物のあるものがオススメ)

決めた時間に入ってもなかなか寝つけない場合は、無理に寝ようとするとかえってストレスになってしまいやすいです。どうしても寝つけない時は、眠くなるまでリラックスして、すこし難しめの本を読んだりするのがオススメです。

こまめな水分補給 起床時・就寝前に白湯を飲むのがオススメ

夏は暑さで疲れやすく、汗をかくことで水分とミネラルが失われやすいです。水分補給はのどに渇きを感じる前にこまめに、早めにすることが大切です。

活動中だけでなく、入浴や睡眠中、部屋にいる時でさえも水分は失われていきます。
起床時と入浴後は特に水分が不足しがちになりますので、身体の渇きを潤すために多めに水分をとりましょう。

起床時・就寝前に1杯の白湯を飲むのがオススメです。
冷たい水は朝の目覚めを助けてくれますが、体に負担がかかります。朝に白湯を飲むと、身体が温まることで胃腸が活性化して消化力が高まります。就寝前に白湯を飲むとリラックス効果もあります。

ちなみに、厚生労働省では「健康のため水を飲もう」推進運動を行っています。
水分をこまめにとるのに加え、もう2杯の水を朝・夜に1杯ずつ飲むくらいがちょうどいいと提唱しています。

水2杯で 豊かな 暮らしを!
朝起きてまず一杯 寝る前にまた一杯
すこやかな暮らしの基本はここから

厚生労働省 「健康のため水を飲もう」推進運動

室内と外の温度差に注意! 日傘の活用などもオススメ

夏は室外はじっとしていも汗をかくほど暑いですが、室内はエアコンのおかげでかなり涼しく感じられることが多いと思います。

一般に、室内と室外の温度差が5度以上になると自律神経が乱れやすくなるとされています。
しかし、商業施設や交通機関、職場などで温度設定も違いますし、わたしたちではエアコンの温度設定をコントロールすることができない場面も多いと思います。

そこでオススメなのは日傘の活用です。直射日光を遮断することで体感温度を下げることができます。

日傘をつかったことがないという方は是非試してみてください。あるとなしではかなりの違いを感じられると思います。

日傘は表面が紫外線を吸収しやすい黒色がいいでしょう。裏面に黒色のコーティングがされているものは遮光率も高く、表面が何色でもいいのでお好きなデザインの傘を選んでOKです。

入浴をしてリラックスする

自律神経を整えるのに、38℃〜40℃のぬるめのお湯に10分〜20分浸かるのが効果的です。交感神経が優位で緊張していた身体から力が抜け、交感神経の働きが抑制されます。リラックスした状態(副交感神経が優位)になると眠りにつきやすくなります。

人は副交感神経が優位になるとリラックスし、深部体温が下がったときに眠くなるというメカニズムを持っています。

毎日入浴ができない、という人もいるかもしれませんよね。入浴することで寝つきもよくなり、生活リズムも整えやすくなります。毎日ではなくとも、シャワーだけでは済まさず、こまめに入浴するように心がけましょう。

食事で夏バテ対策

夏バテの対策には、生活リズムを整えて自律神経のバランスを保つことが大事、ということがわかりました。ここからは、食事の方法や栄養素、食べ物を中心に考えていきましょう。

食事を見直す:3度の食事と消化力が決め手

さきほど、生活リズムを整えるための睡眠習慣を紹介しましたが、睡眠に加えて規則正しいリズムで行いたいのが、食事です。

栄養バランスがとれた食事を1日3回決めた時間に食べるとよいとされています。食事の量は、消化力が落ちていますので食べすぎないよう注意し、腹8分目までを心がけましょう。

寝る前の2〜3時間前の食事はとらないようにし、飲み物はカフェインの入っていない水や白湯を飲むようにしましょう。
食事の後は胃腸が活発に働いているため寝つきが悪くなりやすく、胃に食べ物が残っていると胃腸に負担がかかり、眠りが浅くなります。

仕事などで帰りが遅くなってしまう場合は、夕方にバナナなど果物を食べ、帰宅後は普段より少なめの腹7分目くらいを意識して食べると消化がしやすくなります。

栄養面から考える夏バテ対策:こんな食事に注意!

夏は食欲がわかず、暑いため冷たい麺類を中心とした食事や食事の量を少なめにしたりしがちです。冷たい飲食ばかりしていると、胃腸の働きを弱め、消化力が低下してしまします。食事量が少ないとそれだけエネルギー摂取量も少なくなり、必要な栄養素が不足してしまいやすくなり、疲れや体調不良が生じてしまいます。

こんな食事に注意夏バテ引き起こしやすい食事
  • つめたい素麺や冷麺など炭水化物ばかり食べている
  • つめたい飲み物ばかり飲んでいる
  • 食欲がわかないため、食事の量を少なくしている
  • よく噛んで食べずに流し込むように食べてしまう

また、よく噛まずに食べてしまうのも胃腸に負担がかかり、消化力を低下させます。食欲がわかないために量が食べられないという人は食事の量より、栄養バランスを意識した質のいい食事を重視するといいでしょう。

特に摂取したい栄養素と食べ物

夏バテ対策に効果的な、積極的に摂取したい栄養素と、栄養素を含む食べ物を紹介します。

ビタミンB1 疲労回復効果のある、夏バテ予防にぴったりなビタミン

ビタミンB1は、糖質をエネルギーに変換してくれる栄養素です。糖質は摂取してから最も早くエネルギーになる、即効性の高い栄養素です。

ビタミンB1が豊富な食べ物

ビタミンB1の1日に必要な摂取量は1.2mg程度です。

食べ物タンパク質(100グラムあたり)
ぶた肉(ヒレ)約1.3mg *1人前100g程度
うなぎ約0.8mg *1串100g程度
玄米約0.16mg *小盛り1杯100g程度
ごま(乾燥)約0.95mg *大さじ1で9g程度
*は1単位あたりの食品の重さの目安です

ビタミンB2 エネルギーをつくる「発育のビタミン」

ビタミンB2は、脂質をエネルギーに変換してくれる栄養素です。1日に必要なビタミンB2は1.2mg〜1.6mgほどとされています。

ビタミンB2が豊富な食べ物

ビタミンB2の1日に必要な摂取量は1.3mg程度です。

食べ物タンパク質(100グラムあたり)
レバー(ぶた)約3.6mg *1人前100g程度
レバー(にわとり)約1.8mg *1人前100g程度
アーモンド約1.1mg *10粒14g程度
納豆約0.56mg *1個40g程度
牛乳約0.15mg *コップ1杯200g程度
*は1単位あたりの食品の重さの目安です

タンパク質 体をつくり、体内環境を維持・調整する重要な栄養素

たんぱく質は筋肉や臓器などの体を構成する重要な栄養素です。それだけでなく、たんぱく質は酵素やホルモンなど体の機能を調節する役割も持ち、たんぱく質が不足すると免疫機能の低下、体の全般的な不調の原因ともなります。

タンパク質が豊富な食品は、肉類・魚介類・卵・大豆製品・乳製品です。

タンパク質が豊富な食べ物

1日の必要量は50g〜65gとされています。

食べ物タンパク質(100グラムあたり)
ぶた肉(ロース・ヒレ・モモ)約22g *1枚200g程度
さば約23g *1切100g程度
缶詰(ツナなど)約18g *1缶70g程度
たまご(全卵)約12g *1個60g程度
納豆約17g *1個40g程度
ヨーグルト(プレーン)3.6g *1カップ210g程度
*は1単位あたりの食品の重さの目安です

アーユルヴェーダ式:夏バテ対策に効果的な食事

ここで少し余談ですが、アーユルヴェーダマイスターの私から夏バテ対策に効果的な食事・食品を紹介します。

アーユルヴェーダとは 世界三大伝統医学 病気の予防に重きを置く

アーユルヴェーダはインドの伝統医学で、東洋医学と並ぶ世界三大伝統医学の1つです。伝統医学に対して、わたしたちが治療を受けるのは一般的には西洋医学(現代医学)によるものです。

アーユルヴェーダでは、病気の治療も行われますが、病気にならないための予防医学に重きを置いています。自身の体質を知り、日々の生活習慣を整えることで病気を未然に防ぎます。広く親しまれているヨガは、アーユルヴェーダにおける知恵のひとつです。

アーユル(生命・長寿)+ヴェーダ(科学)で「生命科学」「長寿科学」という言葉の通り、食事やセルフケアといった健康で生きていくためには欠かせない知恵がたくさんあります。インドに起源をもつだけあって、ハーブやスパイスを生活に取り入れることが多いです。

食前にスパイスを一口! 料理は温かいものをゆっくり食べる

暑い夏はついつい冷たい飲食をしすぎたり、クーラーにあたりすぎてしまい、かえって身体が冷えてしまいがちです。そうすると消化力が弱まって体に負担がかかり、疲れやだるさなど様々な不調が生じます。

アーユルヴェーダを取り入れた食事のポイントを4つご紹介します。

アーユルヴェーダ式 夏バテ対策に効果的な食事
  1. 食事の前に生姜・黒コショウを少しだけ食べる
  2. 常温または温かい飲み物、料理にする
  3. 食事は20分くらいかけて 急ぎすぎず、ゆっくりしすぎない
  4. 食事は食べすぎず(腹八分目くらい)、あっさり目に

1の生姜・黒コショウを食前に取り入れるのは、食欲増進と消化力を高めるためです。最初に紹介した消化力を高めるお手軽な方法はアーユルヴェーダの考えを元としたレシピです。

2〜4も同様に、体に負担の少ない食べ方をして消化力を助けるための食事法です。

食材や調理の工夫で食欲を高める

食欲が湧かないからといって偏った食事をしたり、少なすぎてしまっては、かえって不調につながってしまいます。夏バテの予防に食事は不可欠ですので、食材や調理の工夫で食欲が湧くようにすると良いです。

酸味を加える

最初に酸味のあるものを食べると、唾液がたくさん分泌され、味覚や嗅覚を刺激して脳の接触中枢(食欲をコントロールしている)に働きかけることで食欲が湧いてきます。同時に胃液の分泌を促し消化酵素のはたらきを活発にします。

レモンやかぼすを絞るだけでも効果があります。酢を使った料理もおすすめです。

出汁をつかう

出汁にはうま味成分があり、このうま味成分に食欲抑制効果があるとされています。食欲を高めることがまずは大事なのですが、食べ過ぎも胃腸に負担をかけてしまいます。うま味成分が適度な食欲と満足感を与え、食べ過ぎを防止してくれます。

うま味は昆布などがもつグルタミン酸、カツオ節などがもつイノシン酸、干し椎茸がもつグアニル酸が3大うま味成分といわれています。

カツオ節は1度に大量には食べれないものの、タンパク質が豊富ですので料理の仕上げにさっと振りかけてタンパク質を補うのもいいでしょう。

ハーブやスパイス、ネギや生姜などの香味野菜をつかう

ハーブやスパイスによって効果はさまざまですが、一般的に食欲増進効果があり、消化吸収の促進、疲労回復などの効果も得られます。特にネギや生姜、コショウは手に入りやすく、料理にも取り入れやすいのでおすすめです。

ネギには胃酸の分泌を促す「アリシン」という成分が含まれ、ネギの白い部分にはビタミンCが含まれていますので、夏バテにはピッタリです。

常温または温かい料理にする

アーユルヴェーダ式の食事法でも紹介しましたが、冷たいものを食べすぎると胃腸に負担がかかり、消化力が低下します。また、自律神経を乱しやすくなるため、暑いからといって冷たい飲食ばかりするのは控えるのが吉です。

食事に必ず1品温かいものを添えるか、常温や温かい飲み物を用意しておくのがオススメです。また、料理同士で温度差が激しいのも体に負担がかかりますので、常温〜温かい料理で揃えるのがいいでしょう。

寝つきや目覚めにも効果的な食材

睡眠の質を高めるには、起床したら朝日をみて体内時計を整えたりといった生活リズム、就寝前は食事をしない、電子機器をみない、リラックスすることが大事です。

しかし、睡眠を促すホルモン(メラトニン)はトリプトファンというアミノ酸のはたらきによってつくられるのですが、このアミノ酸は体内では生成できず、食品から摂取する必要のある、必須アミノ酸のひとつなのです。

このトリプトファンは主に以下のような食材に含まれています。

トリプトファンを多く含む食品
  • 豆腐、納豆、味噌などの大豆製品
  • かつお、まぐろ、牛肉、卵、牛乳などのたんぱく源となる食品
  • 穀類
  • バナナ

まとめ

夏バテ対策の要点と注意点

夏バテ対策レシピの紹介から摂りたい栄養と食品、夏バテの原因と生活習慣について紹介してきました。ここに、要点をまとめておきます。

長い夏を元気に過ごす!

夏バテ対策の要点

  1. 夏バテの原因は偏った食事による栄養不足と自律神経の乱れ
  2. しっかり栄養を摂るために、食欲と消化力を高める
  3. 食欲と消化力を高めるために、食前の生姜をお試しあれ
  4. 料理にはビタミンB群とタンパク質豊富なぶた肉がオススメ
  5. 自律神経を整えるために、睡眠の質を高めるルーティンを身につける
夏バテになりやすい生活習慣
  • そうめんはめんつゆだけ、など偏った食事
  • 冷たい飲み物、食べ物ばかり食べる
  • 夜遅くまでスマートフォンなど電子機器を見る
  • 朝起きてもカーテンは閉じたまま 朝日をしばらく浴びない

暑い夏を乗り切るためのアドバイス

ついつい冷たいアイスをたくさん食べたり、冷たい飲み物をたくさん飲んだりしてしまいがちです。私もつい飲んだり食べたりしすぎてしまい、胃がもたれ気味になっていましたが、原因を知って気を付けてみると案外ちゃんと改善されていきます。

また、「睡眠の質を高める習慣」を続けることで、自然と生活リズムを整える意識が持てますので眠活と勝手に呼んでいますが、オススメです。

最高の睡眠を求めるなら、寝具を整えるといいでしょう。今はメーカーで様々な寝具を取り扱っていますので、最高の寝具を探してみてください。

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妊娠中の妻を持つ夫。妊娠という特別な時期に夫婦が抱える不安解決の方法をナビゲーションします。 睡眠コンサルタント、食育栄養コンサルタント、アーユルヴェーダマイスター資格を持っています。(2024年1月時点)
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