【寝ながら3分】深く良い睡眠のヒミツと眠りを良くするリラクゼーションテクニック
皆さんは、ベッドに入ってもなかなか寝つけず、目が覚めても疲れが残っていると感じることがありますか?睡眠の質は、私たちの日常生活や健康に大きな影響を与えるものです。
この記事では、深い睡眠の重要性やその効果、そしてリラックスしてより良い睡眠を得るためのテクニックについて詳しく解説します。質の良い睡眠を手に入れるための【寝ながら3分】でできる簡単リラクゼーションテクニックをご紹介します。
深く良い睡眠とは?
深い睡眠、一般的には「ノンレム睡眠」としてご存知の方も多い、睡眠のサイクルの中でも特に重要な部分とされています。睡眠中、身体は積極的に修復や再生を行い、脳は休息と重要な情報をフィルタリングして記憶を強化します。
睡眠は0〜4段階に分けることができ、覚醒状態を0、レム睡眠を1とするとノンレム睡眠は2〜4段階に分けられます。
ノンレム睡眠でも特に4段階目の最も深い睡眠が重要とされており、それは睡眠の初めの方に現れるということがポイントです。眠りについてから一気に4段階目の深い睡眠に入り、目覚めに向かって徐々に浅めのノンレム睡眠、レム睡眠が増えていきます。
深く良い睡眠で得られる効果
深い睡眠で得られる効果は多岐にわたりますが、大きな3つのポイントを紹介します。
身体の修復とアンチエイジング
深く良い睡眠では、成長ホルモンの分泌が活発になります。日中も分泌されるのですが、特に夜間の寝入ってから2〜3時間後に成長ホルモンの分泌が増加します。
成長ホルモンって子どもに必要なものなんじゃないか、と思われるかもしれませんが、成長ホルモンは、身体の細胞の再生や修復、筋肉の成長などの多くの生体機能に関与しており、十分な分泌がなされないと、筋肉や皮膚などの老化が進行しやすくなります。
こうしたことから成長ホルモンはアンチエイジングに必要なホルモンであり、老化の抑制や美容面での効果が期待できます。
脳の健康とゴミ処理
私たちが目を閉じて深く眠るとき、脳はただ休憩するだけでなく、日中の活動からの「ゴミ」の排泄作業も行っています。このゴミとは、脳の活動中に発生する不要な物質や老廃物のことを指します。深く良い睡眠がないと、このゴミ排泄作業が適切に行われず、脳の機能や健康に悪影響を及ぼす可能性があります。
ここで注目したいのが、「グリンパティックシステム」という脳の排泄システムです。このシステムは、リンパ系のように脳の中を流れ、老廃物や不要な物質を取り除く役割を果たしています。特に、深い睡眠の間にこのグリンパティックシステムは活発に動き、脳内のゴミを効果的に排泄します。
グリンパティックシステムが効果的に動作することで、アルツハイマー病などの神経変性疾患のリスクを低減するための「β-アミロイド」というタンパク質の除去が助けられます。β-アミロイドは、過剰に蓄積すると脳に害を与えるとされているため、これを効果的に排泄することは非常に重要です。
このように、深い睡眠は脳の健康を維持するためのキーとなる要素の一つです。毎晩の睡眠を大切にし、脳の清掃作業をサポートすることで、長期的な脳の健康と機能の維持に貢献しましょう。
免疫機能の強化とメラトニン
深い睡眠中には、メラトニンという「睡眠を誘導する」ホルモンの分泌も増加します。メラトニンは夜間、21時から3時の間に分泌が活発になります。このホルモンは、不規則な生活や不足した睡眠でその分泌が乱れることが知られています。メラトニンは睡眠誘導のみならず、免疫機能の調整にも関与しており、その分泌が不足すると免疫機能が低下します。
免疫機能が低下すると、風邪やインフルエンザをはじめとする感染症にかかりやすくなるだけでなく、アレルギーや自己免疫疾患のリスクも高まります。さらに、疲れやすくなる、回復が遅れるなどの身体的な不調や、ストレスに対する耐性の低下などの精神的な影響も伴います。
寝つきと深く良い睡眠のためにリラックス法を習慣化しよう
寝つきをよくする方法として、一般的には入浴などして深部体温をつかう方法が効果的ですが、本記事では寝る直前に行うリラクゼーションテクニックをご紹介します。
なぜリラクゼーションテクニックが効果的なのか
実践の前に、なぜリラックスするのが効果的なのかを知っておきましょう。それには、自律神経が関係しています。
自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあります。交感神経は興奮や活動時に優位になり心拍数や体温は上昇、副交感神経はリラックスしているときに優位になり心拍数や体温は低下します。この2つのバランスがとれていることが睡眠においても、普段の生活においても重要です。
眠りの質を妨げる原因はさまざまありますが、自律神経のバランスが乱れていることも睡眠を妨げてしまうのです。
例えば就寝前に激しい運動をしたり、寝る直前に入浴をしたりすると交感神経が優位になり、寝つきにくくなります。こうした時にゆっくりと呼吸をしながらリラックスすることで徐々に副交感神経とのバランスがとれ、ぐっすりと眠ることができます。
また、緊張や不安でいることも眠りの妨げになるため、簡単なストレッチなどすることは、体の緊張をほぐし血流の流れも促進し、気持ちの良い眠りへと誘導してくれます。
【寝ながら3分】筋弛緩法(きんしかんほう)がオススメ
このテクニックは、筋肉を緊張させてから徐々にリラックスさせることで、身体全体のリラックスを促進します。具体的には、足のつま先から頭のてっぺんまで、筋肉を一つずつ緊張させ、ゆっくりと弛緩させていく方法です。
筋弛緩法は寝ながらでもいいですし、座ってでもできます。筋弛緩の方法はいくつかありますが、私が実践している方法をご紹介します。
- 仰向けになり、目を瞑り、全身をリラックスさせます
- 利き足の指でグーをつくるように10秒間強く力をいれます。10秒が経過したらパッと力を抜き、リラックスします。
- 利き足の指・甲を足首に近づけるようなイメージで動かし、10秒間維持します。ふくらはぎの伸びを感じると思います。
10秒経過したら力を抜き、リラックスします。 - 反対足も同様に、❷・❸を行います。
- 利き手の指をグーっと力強く10秒間握り込みます。10秒が経過したら力を抜き、ゆるくパーの形にします。
- 反対の手も同様に❹を行います。
- 両肩に力をいれます。イメージは肩をすくめるような感じ。10秒間経過したら力を抜き、リラックスします。
- 10秒〜1分間、ゆっくりと呼吸をしながら何も考えないようにします。私の場合は、透き通った海の上のボートで寝転びながら空を見つめるイメージをしたり、ラベンダーの花畑で香りを感じながら寝転んでいるイメージをしています。
筋弛緩方がオススメの理由
筋弛緩法は、身体の緊張を意識的にコントロールすることで、精神的なリラックスも促進されるとされています。また、この方法は科学的にも、緊張や不安を減少させる効果が認められています。
銃や戦車など轟音の鳴り響く中で睡眠を取らなくてはならない戦場でも、この筋弛緩法が取り入れられており、床について2分で眠りにつくとも言われており、効果が絶大とされています。
また、不眠に悩む方や精神疾患を抱えており不眠症を併発してい方にもこうした方法が取り入れられているということで、多くの人に効果があるといえます。
まとめ|深く良い睡眠の重要性を知り、良い睡眠習慣をつくろう
深い睡眠は、身体や脳の健康を維持する上で極めて重要です。リラックスすることは、質の良い睡眠を得るための鍵となります。特に、漸進的筋弛緩法のようなテクニックを活用することで、より効果的なリラックスを実現し、深い睡眠を得ることができるでしょう。